2020年12月25日金曜日

 ’20年最後の例会は作業小屋の大掃除や機材の整備を! 

 12月は、6日と19日の定例会を中止しました。トラスト協会からの「新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた取組み」の要請に対応してのことでしたが、24日は年内最後でもあり、この後2カ月ほどは作業小屋を訪れる予定もなくなることから大掃除や機材の整備などをすべく、挙行しました。

参加者は9名でした。(遅れて参加1名)




 10時の温度計は5度。麓の塔原の温度計も5℃でしたので山頂としては比較的暖かです。ただ少し風もあり曇っていて明石海峡大橋方面はよく見えません。

小屋から見える落葉樹もほとんどが葉を落としています。樹の下には雪が少し融けずにのこっています。水タンクの下の容器の水は完全に凍っていて厚さ4cmほどになっています。雨が少ないのでタンクの水は半分近くまで減っています。今年の冬は寒そうです。



 
テラスの隅には雪が解けずに残っていました。



 
ノコギリ、カマなどの機材は入念に整備。
 オオスズメバチを捕獲したPETボトルの処分も。



 

小屋の中も整理、使用済み塗料缶などの廃棄処分も…。


火鉢で炭をいこしましたが、窓を開放しているので温まりません。



そして、大掃除! つまり大きい掃除です。ふだん手が届かないところや、屋根樋の松葉取りなども…。



小屋の周囲のアカマツの下には、沢山のエビフライ(リスやムササビが松ぼっくりの中の松の実をほじくって食べた残りカス)がありました。冬に備えて栄養を蓄えているのでしょう。

 

椎茸のホダ木には、この時期はほどんど椎茸はでていませんが、わずかに小さな椎茸(直径1.5cm)が顔を出しています。大きくならず小さなまま固くなっているようです。この秋は雨が少なくきのこの成長には適さない気候だったのでしょう。


お昼にはブナ林の観察をされていた田中先生がこられました。
ブナの実は大豊作で夏になるまでは順調に成長したが、酷暑のせいか種子が育たなかった」「塔原の畑に蒔いた種大切に育てたい」など話題はやはりブナのこと。

 午後から小雨となりましたにので、早めに定例会を終了して今年の作業は終了しました。来年の3月までしばらく和泉葛城山は冬ごもりです。

 年明けは1月28日(木)の研修会。午前10時から岸和田福祉総合センターです。ブナの種子採取のレビュー(総括)等が予定されています。ブログでもご報告します。→詳細は、「掲示板(クラブ広報)」をご確認ください!


 それでは皆さま、良いお年を! 


2020年12月17日木曜日

 

12/16(水)ブナの種蒔きのご報告
和泉葛城山のブナの種は ふもとの畑で春を待ちます 

 豊作の期待にふくらんだ今年のブナの種子――。残念ながら合格種と準合格種合わせても250個ほどと当初の予定より大幅減でしたが、この日、ふもと塔原の畑で種蒔きが実施されました。地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所、公益法人大阪みどりのトラスト協会、岸和田市役所、テレビ岸和田、そしてブナ愛樹クラブの合同チームによる作業でした。


 道路わきの温度計が3度を示す寒い日でした。いつものクラブの苗畑の少し上に位置する一畝ほどの畑をトラスト協会が借りていて、そこでブナの種蒔きをしました。
 参加は、1993年大豊作の時の種蒔きから育苗をされた伊藤先生、田中先生、畑の藤原さん、府立環境農林水産総合研究所、トラスト協会の岡さん、岸和田市役所職員2名、岸和田テレビの取材班2名、ブナ愛樹クラブからは土井代表、山條さん、那須さん、朝井さん、高原さんの5名でした。

 まず、伊藤先生から種まきの指導がありました。

 最初に土井代表が丁寧に種まきをしました。テレビ岸和田のカメラが追います。


 
合格種(沈降したもの)37個は採取日に分けて種蒔きをし、それぞれNO.を付けて杭を立てました。準合格(下向きに浮いたもの)214個の内、種採取の少ない日の分は合格種と同じように指で穴を開けて蒔きました。採取が多い日の種は線に沿って、ほぼ等間隔で蒔きました

 畑は地元農家で貸主の藤原さんが苗床を作ってくれていて、種をまくだけになっていました。広い土地で、そのうちの一番奥の端の一畝をトラスト協会がブナ育種のために借りたものです。


 午前11時半から午後2時少し前までの作業でした。

 秋、クラブのみなさんと何日も苦労して種拾いをしました。何とか来年の春にはたくさんブナの芽が出ることを祈るばかりです。(以上:ブログ担当)

会員限定ページに今回播種したブナの種子の一覧表を掲載しました。会員の方はチェックしてみてください。



2020年12月2日水曜日

 

トラスト協会の気象観測に協力

11/30(月)定例活動日以外にもクラブメンバーがお手伝い! 

 このところトラスト協会との連携活動はいつになく頻度を増しています。この日もわがクラブのメンバーが協会職員の気象観測をお手伝い! 担当者も和泉葛城山は初めてとあって、和泉葛城山ブナ愛樹クラブ会員の同行はさぞかし心強かったことでしょう。

 トラスト協会ではコアゾーンに多くの気象観測機器を設置しています。データは蓄積され、定期的な回収が必須です。11月30日、この作業に当クラブメンバーが同行し、お手伝いをしました。








 データはパソコンに取り込みます。ハイテクです。












 4日前の26日に掃除したばかりのデッキ2(下のテラス)には、ブナの落ち葉がほんの少しで種はありませんでした。

                           (以上:ブログ担当)

表紙写真を更新しました
晩秋のブナです

和泉葛城山の晩秋のブナの樹―。今年は沢山の果実を付けましたが、黃葉の季節が過ぎ、ほとんどの葉を落としたブナに多くの果実の殻斗(果実が包まれている殻)がついているのが見えます。すでに果実を落として殻斗は口を開けています。例年になく多くの殻斗が残っています。果実を実らせるという大仕事を終えて疲れた?ようにみえるブナの大木です。(土井)










2020年11月27日金曜日

11/26も ブナの種子回収に挑みましたが… 

 クラブでは11/21の定例活動に続きこの日も種子採取活動に果敢に挑みましたが、これまでのところ結果は思わしいと言えるようなものではありませんでした。クラブのブナの増殖のチャンスを逃がすまい…」の思いは果たして実を結ぶのか… この日の状況をご報告。 

 

 本日の定例会の参加者は、11名。コロナ感染の拡大でマスクして整列!


日なたの気温は20度を超えていましたが少し風もあり、日陰は冷たい晩秋の山でした。関空がよく見えていますが、以前は多かった関空の航空機の発着はめっきりと少なくなり、最近はほとんど見られるません。














 この日は 田中先生も参加。トラスト協会から来場のお二人は気象観測に。


ブナ愛樹クラブが設置したトラップとネットは21日に来て採取済み。新たの種の落下はほとんどありませんでした。

 
トラップの上のブナの樹の枝にはまだ殻斗が沢山ついているのが見えますがほとんどが口を開いていて種子は落下したようです。 

 

このトラップ・ネットでの今年の種子採取は、今回で終了し、午後にはネットなどを回収しました。 
期待していたほど種子が採取できず残念でした。


        枝先の口を開いた殻斗と冬芽に褐色になった葉



 これまで活動の対象としたことがあまりなかったデッキ3は、塔原道と蕎原道をつなぐ作業道にあります。一抹の期待を抱いて種拾いに行きました。周辺にブナの木はありますが、デッキ周囲にはなく、残念ながら種子や葉はデッキ上には落下していません。たくさん積もっていた枯葉などのを掃除して帰りました。

 なお、テラスやらデッキやらの呼称については、すでに11/16の活動報告から用語の統一を図っていますが、トラスト協会に倣ってこれからも以下のようにいたします。

・牛滝道のデッキ1(=これまで上のテラスと呼んでいたもの)     
・塔原道のデッキ2(=これまで下のテラスと呼んでいたもの)
・作業道のデッキ3(塔原道と蕎原道をつなぐ作業道にあるデッキ)


11/26にデッキや作業道、ブナの木の下などいろんな場所で採取した種子を沈降テストで確認したところ、ほとんどが水に浮き、虫食いとシイナでした。水に沈降したのは十数個でした。残念!

    

 帰途、塔原のブナ苗畑の状況を見てきました。こちらの方は以前と変わった様子もなく、まあ、順調でした。(但し1本が枯れて合計6本になってしましました)


前回の末尾クイズの答です

 最後に前回のクイズの答を。

 問題は「実をつけたのは上の枝か下の枝か?」でした。

 正解は上の枝。
 下の黄色が強い枝が花芽を付けなかった枝でした。上の枝は花芽を付け、殻斗を付けた枝です。先に枯葉となって落下します。

(以上、ブログ担当)   



2020年11月21日土曜日

11/21も 種子回収活動に汗をかきました
―― 見学の健老大学の皆さんもご一緒に 一一


 定例会に岸和田の健老大学のみなさんがゲスト参加されました。午前はブナ林の散策・見学、午後は、午前中にメンバーが集めたブナの種子の精選作業を見学されました。ブナ林の美しさやブナの神秘にふれていただくことができました。
元トラスト職員のOさんもh久しぶりに参加してくれました(左端)。


  
山頂の神社あたりを散策



あちこちに沢山ブナの殻斗や種子が落ちています

  晩秋のブナ林を散策





 午後は集めたブナの種子の精選、このときもほとんどの種子が浮いてしましました。



この日は午後でも11.6℃、日陰は寒いです。
     
   真っ赤に色づいたウリハダカエデの幼木の紅葉

コハウチワカエデの紅葉です。和泉葛城山の紅葉の最後を飾るあざかやな赤です。


ミヤマシキミの実も真っ赤のなってきました。美味しそうですが有毒で食べられません。


 

2020年11月17日火曜日

 

11/16は 合同チームでブナの種子回収! 
ブナの実の豊作に いま 採取活動が熱気をおびています。

 和泉葛城山のブナの結実が数年に一度の豊作とあり、ブナの増殖のチャンスを逃がすまいとクラブでは定例活動日以外にも果敢に採取活動を行っています。今回は田中先生以下のメンバーに関連2機関の参加も得ての活動でした。
 参加者:田中先生、山條さん、藤原さん、那須さん、朝井さん、高原、きしわだ自然資料館・岡本館長、トラスト協会・岡さん・山本さん、計9名 


 まず、11/8に小屋で乾燥していた落ち葉混じりの種子を、まだ湿気があったためベランダに干しました。前回、デッキ1(牛滝道寄りの上テラス)で収集したものです。
 
午後、種子を選り分け、沈降テストにかけました。

 今回も、前回に引き続き二つのデッキ(テラス)で種子の収集をしました。


 午後からは、神社の階段の中段右手N25(前回の沈降テストで10%と良かった)神社左手コアーゾーンのN313、さらにデッキ1(牛滝道の上テラス)手前から左30m程の道沿い域の種子収集を実施しました。



 沈降テストを実施。
 合格35個と非常に少なかったのは残念でした。
  ・前回10%と良かった神社左手コアーゾーンは今回は悪かった。
  ・デッキ1(牛滝道の上テラス)の手前から左30m程の道沿いは若干ながら良い結果。
 完全沈降しない沈水のものも芽の出る可能性があるので残しましたが、これも非常に少なかった。

 データは田中先生が集計されます。

 次回は11/21の定例活動日に行う予定。

末尾クイズです

 最後に、田中先生からのクイズをひとつ!
 次の写真にあるのは、どちらもブナの枯れ枝ですが、明らかに様子が違います。一方の枝は今年花芽をつけ殻斗もつけた枝で、もう一方は花芽を付けず当然ながら実もつけなかつた枝です。さて、実をつけたのは上の枝か下の枝か? 答は次回の投稿の末尾で。

(以上、ブログ担当)   









2020年11月9日月曜日

11/8 メンバー3名で種子回収を実施しました 

 11月8日、田中先生・山條さん・高原の3名でバッファゾーンでブナの種子採取を実施しました。11月5日に続いての活動です。ブナが実を落とすこの時期、頻繁な採取が望まれます。いま、採取頻度は喫緊の課題です。
 今回の採取は、テラス2か所と神社手前参道の3カ所で実施しました。9時半から13時15分までの作業でした。
(高原)


まずはテラスの種子回収


 手始めに、前回に引き続き2か所のテラスで種子採取を実施しました。辺りは写真のように前日夜中までの雨で濡れています。

 現場での選別も手間なので枯葉ごと集めることにしました。集めたテラスの種子や殻斗は落ち葉などと一緒に持ち帰ります。





















 というわけで、テラスは2か所とも掃除完了です。
 テラスで集めた落ち葉混じりの種子は作業小屋に持ち帰り、ブルーシートの上で乾燥。果たして沈降テストの成績はどうでしょうか?



さらに神社手前の<N313>の木の下で100粒!


 神社手前の左側コアーゾーンに日当たりの恵まれたN313のブナがあります。このブナの種子を神社参道のエリアで100粒ほど拾うことが出来ました。
「ほう、これがブナの実ですか」
「豊作の年なんですね」
 採取の手を止めて、通りすがりのハイカーと語らうメンバー。

 ここの種子はテラスに比べ少し大きく、午後からの沈降テストでも10%程合格。(テラスは合格が非常に少なかった。)


<次回の予定>

・田中先生の指導で次回の予定日11/16(月)に、主にブナの木の下で種採取する予定です。木の下の採取は種が見にくいので簡単には取れません。
・採取場所は先生から指示があります。
・当日の状況を見て、その次の採取日を決めます。


ブナをもっと知ってもらおう!

 この日も葛城山は登山者やサイクリングツアーでにぎわいました。そんな皆さんに田中先生が丁寧にブナの状況を説明。
「水に沈まなアカンのですわ」
 ブナを知らない人が多い中、こうした啓蒙活動もクラブの大切な使命です。