2019年5月23日木曜日

5/23の定例活動は間伐と倒木処理
シイタケ栽培場の改修も


この日の参加メンバーは12名。


5月最後の活動日となった23日は前回とは打って変わって五月晴れに恵まれました。今月の活動目標はヒノキの倒木処理と間伐です。

この日、参加メンバーはバッファゾーンをはるばる下ったあたりのヒノキの倒木処理と間伐作業を行いました。また一部のメンバーはシイタケ栽培場の改修に午前中を費やしました。

倒木処理と間伐は目的も方法も微妙に、あるいは大きく違います。
倒木処理はいわば故障した森の修繕で、そこには修繕ならではの難しさがあります。
倒れたり中途半端に倒れ止まっている危険な木を処分する作業は一本一本で条件が違い、その手順はまさにクイズ! 思うように運ばないことも多く「禁じ手」などもあって、一筋縄ではいきません。ひとつひとつが複雑なのです。

一方、間伐は森林を健やかに成長させる森のお手入れです。
バッファゾーンのような人工林では手を入れないとヒノキが過密状態になります。そうした中から細めの木を選んで伐採しておけば、残った木は幹も太く枝葉も豊かに育ち、根もしっかり張って強い森をつくる…、これが間伐です。
倒木処理に比べ、間伐は意図的に手順を考えて作業を展開することができます。そこでは経験と工夫に裏打ちされた「技」がフルに働いています。
今回はこの間伐作業に焦点をあて、大まかな作業工程を写真とともに追ってみましょう。

間伐で最も神経を使うのはどこへ倒すかです。周囲の木と木の間に落ちて地上に横たわるように、倒す方向を略ることが肝要です。そのときロープ作業は木が倒れる方向をコントロールする手段として重要な役割を果たします。
まず、間伐の対象となった木の上部にロープを掛けます。はじめに細いロープを飛ばして枝に引っ掛け、それをガイドにして太いロープをくくりつけるなど、その技はなかなか見ごたえのあるものです。


ロープとともに、木を倒す方向を決めるのがのこぎりの入れ方です。あの木とあの木の間をめがけて落ちるようにと慎重に方向を計って両側に切り込みを入れます。






ロープ作業は滑車を多用します。ロープの引っ張るところへ木は倒れてくるわけですから、そこで人が引っ張ることはできません。滑車で折り返すことによって離れた地点から引っ張ることができ、地の利もとりやすくなります。(写真は滑車をかけているところ)


果たして狙った通りに倒れてくれるか、状況を見定めながら引っ張ります。


ロープで引かれて木が倒れます。首尾よく狙った通りの木と木の間に落ちてきそうです。


おっと、途中、枝が隣の木に絡まってスムーズには倒れてくれませんが、こんなことは想定のうち。



ねばり強く、引っ張り、ゆさぶり続けると…









ようやく気は地表に倒れてくれました。




倒れた木はある程度の長さに切断して丸太状にします。
枝を払った丸太をロープで運び、写真のように木や切り株を利用して斜面に転がり落ちないよう安定の良い状態に片づけます。

こうした作業を続けることで、暗かった森は明るさを取り戻し、木々の根もしっかり張って風雪に強い森が保全されるのです。


またこの日の午前中、別動の二人がシイタケ栽培場の改修にあたりました。
クラブでは伝統的にシイタケの原木栽培を行っています。収穫したシイタケは紅一点メンバーの思いやりで昼食時に供され、山仕事の愉しみとなります。原木栽培のシイタケは市販の生シイタケとは違って別格の味。クラブにとってシイタケ栽培はなくてはならない脇役です。

シイタケ栽培の敵は強すぎる日光。日差しを和らげてより美味くでっかいシイタケを採りたいと、この日、栽培場に寒冷紗の覆いを設置する工事が行われました。

ここが原木場。さてどうするか、目下検討中。

支柱となる杭を打ちます。

寒冷紗を張ります。









午前中には完成!
立ち入り禁止のテープも張りました。これで立派なシイタケが採れるでしょう。


また、この日は五月晴れに蔵書の虫干しなども行いました。
クラブの山仕事はチームワークに結ばれた仲間の営みです。


2019年5月18日土曜日

5月18日の活動は雨でブナの見回りツアーに予定変更

 雲行きがあやしかった5月18日、ちょうど小屋に着いたころ小雨がぱらついてきました。降ったり止んだりのなか、午前中は様子を見ながら雑用で過ごし、午後はブナの見回りに予定変更しました。その一部始終を写真でご報告します。「天然記念物和泉葛城山ブナ林」を未体験の一般の皆さま方には、ちょっとした山案内ともなりましょう。


本日の参加者は7名。いつもより少なめです。
 雨が、ポツポツ、パラパラと、降ったりやんだり。ほら、温度計のガラスにも水滴が…

とりあえず午前中は様子をみようと、ふだん出来ないクラフトの材料づくりに取り組んだりの ect…


気になっていた水槽のメンテに取り組んだりの ect で、あれこれしながら時は過ぎ、やがて、昼。






さて午後からはどうする? 飯も食ったし帰ろか、という声もないではなかったけれど、そこはそれ、さすがブナ愛樹クラブ。 こんな時こそ森に分け入り、ブナの様子をつぶさに見て回ろう! となりまして、いざ、雨具に身を包んで行軍を開始!


とはいえ、森を愛するヒトには行軍もまた楽しみに満ちたもの。ほら、なんか見つけたようです。いつもの保全活動にはないこのユッタリ感! いいね!


途中、5月の若葉色いっぱいの草むらを抜けると、やがて…
 木々の生い茂る森へ。
 とはいえ、ここはまだ「国指定天然記念物ブナ林」のコアゾーンではなく、その周辺を取り巻く緩衝樹林区域のバッファゾーンです。

バッファゾーンにもブナは生育していいます。
ヒノキなどに囲まれ健気にガンバっているのです。

このような大木になるには、いったいどれだけの歳月を要したことか。

おや、貴重な山野草の開花を発見? でも盗み採りを誘発しないよう、不用意に写真を載せられないのがちょっと残念。撮ってもいいけど、採るのはいけませんよ。
 さて、いよいよ天然記念物のコアゾーンに入ります。この柵はコアゾーンとバッファゾーンの境。
天然記念物のコアゾーンはおよそ8ht。ここに約500本のブナの木が生育し、そのすべてに番号が付けられていて、一本一本の状態がデータとして記録されています。これも当クラブの重要なミッションのひとつ。


天然記念物として人の手を加えることが禁じられいるコアゾーンの雰囲気は、バッファゾ-ンとはひと味違います。ヒノキの植林などもなく、広葉樹の緑が明るく美しい。

ところで、このブナにはヒミツがあると、クラブの会長。

稀有なことに、未登録で無番号がそのヒミツなのだと。成木ではこの1本だけらしい。
ベテランの頭の中にはブナの所在と番号がばっちり。


これがブナの標札です。左のブナは391、右のブナは390(犬ブナか)。赤地にNとあるのは和泉葛城山のブナ林に充てられた記号。
 コアゾーンのブナ林には一般の人が道を外れてブナ林に立ち入ることは禁じられていますが、トレッキング用の遊歩道が整備されていて、歩くことができます。
 これは昆虫の幼虫。こんな風に葉っぱにくるまって幼生期を過ごします。ブナ林に生きる昆虫等の調査もブナの植生調査とともにクラブの仕事のうちです。

これは、けなげに芽を出し育っているブナの幼木。

これは、途中で折れてしまったブナの大木。
 これは、折れて落ちて枯れてしまったブナ。そっとしておきます。
 この写真のように途中で折れて無くなっていても、あるいは巨木となって中に室を囲いながらも、緑濃く葉を茂らせているなど、ブナの姿はさまざまです。
天然記念物 和泉葛城山のブナの森へいらっしゃいませんか。

2019年5月14日火曜日

岸和田市民フェスティバルに参加

クラブは、5月3日に中央公園で開催された岸和田市民フェスティバルに参加し、ブースを出店しました。恒例ともなったその情景をお届けします。

中央公園グランドには巨大なマリオが出現
ラヂオきしわだが恒例のインタビュー 満面の笑みで応えるは当クラブ会長
メンバー工夫のクラフトも販売 思うようには売れないけど
いちばんの人気イベントは何と言っても丸太切り」
自然な素材が目新しいおもちゃ作りは子どもの心を奪いました
幼い女児が励まされて最後まで切り上げました
葉っぱで出来上がるバッタの繊細な造形美は子どもも大人も魅了する
天候にも恵まれこのにぎわい! 手前の赤い水玉模様はクラブのメンバーです
あれこれアトラクションも賑やかに