2021年11月29日月曜日

11/25の例会は
午前は玉切り 昼にはBBQ 午後は坪刈りと
ドンヨクに活動した いつもの一日でした

 この日の参加は10名。ゲストはなく全員がクラブメンバーでした。
後列左から、朝井・土井・藤原・弘田・今井・
前列左から、高原・前田・岡田(立っている)山條・永田・の皆さん

 下界は曇って、さだかではありません。何度も時雨が降ったり、晴れたり不安定な天気でした。いつもはよく見える関空も霞んでいます。

















 9時38分の気温は6.2度C。









 ハチトラップには、スズメバチをはじめぎっしりといろいろな虫が…。ミーティング前の見回りの一コマです。

午前のプログラムは、前回の
「学生ボランティア養成講座」で伐採した木の後かたづけ

 前回の学生ボランティア養成講座で伐採した木の後片付けが、まずこの日の仕事でした。伐採木は、玉切りをして、適所に運びます。クラブの場合、多くは作業道の保全・補強に用います。
 玉切りとは、枝払いが済んだ倒木を用途に応じた長さに切断して丸太にすることをいいます。

 今回は、チェンソーの使い手が不在だったので全員が手鋸での作業です。

 女性の永田さんもしっかり挑戦!落下防止のロープを取り付けています。

















 樹齢50-60年ともなる木は手鋸では一筋縄ではいかず、上から曳き下から曳き、ときには重い丸太を回して曳いたりもしなくてはなりません。



 「戦場のカメラマン」なる黄色いマイヘルの前田さんも奮闘!
 予定通り後片付けを済ませた後、スカイライン道わきの枯れ枝など危険な枝の除去作業を実施しました。少しの時間も無駄にはしない、保全活動愛であります。好きなのであります。

昼は、なんとバーベキュー!

 お昼は、朝井さんの提案でバーベキュー大会となりました。屋外で間隔を取りながら。北摂のクヌギで会員の高原さんが参加して手作りした炭をつかっています。クヌギの炭はきれいに焼けると断面がキクの花の様に見える(菊炭と呼ばれる)ので、茶道のお点前で使われる高級品ですが、割れたりした炭を利用しています。

 じつは新入会の永田さんの歓迎会も兼ねてのこと。ただ、主賓?の永田さんも会費500円はご負担。そこはそれ、厳しい朝井采配であります。

 永田さんに「どうですか、クラブは?」と聞いたら即座に「たのしい!」と返ってきました。フランクフルトをほおばる笑顔に嘘はなさそう。

 肉の中に「美味いが、堅いの」があり「筋にそって嚙めばいい」などの卓見が出て「8020」が話題になるなど、それらしい話が飛び交ったひと時でした。


午後のプログラムは、「坪刈り」(下刈り)!

 坪刈りとは、植栽した苗木や若木の周辺の下草刈りをすることを言います。日照を確保するために苗木育成に欠かせない作業です。全体を刈り取るのではなく、苗木周辺だけを刈り取ることで、周囲のコナラやミズメ、イヌシデ、ウリハダカエデ、コハウチワカエデ等の落葉樹も保全しつつブナを育成していくことを目指しています。

 ご覧ください。このうっそうと繁茂したミヤコザサの中に植樹したブナの若木が潜んでいるのです。

 あらかじめ付けておいた赤いリボンを見印にブナの若木を見つけ出し、周りのササを刈っていきます。
 ほら、この通り。ブナの若木が嬉しそう。秋が深まり葉は枯れていますが生きてます。ブナの若木は冬季でも枯れた葉を落とさないのが特徴です。そのために冬場は周囲の落葉樹が葉を落とすので目立って、ブナの若木を見つけやすくなるのです。

 元売店を背にして、神社の右手には、前回確認した16本に加え今回2本を見つけて18本、左手には、前回確認した9本に加え新たに4本を見つけて13本、計31本のブナの植樹のツボ刈りを実施しました。日当たりが改善され成長が促進されることを期待しています。


 女性メンバーもチームの一角を担い、かくして充実した一日が過ぎていきます。
 午後の気温は8度ほどに。


2021年11月24日水曜日

 11/20 定例会では、

「学生ボランティア養成講座第六回和泉葛城山ブナ林」(環境事業協会主催)に協力して、準備してきたいろいろな企画を実施し、受講生に体験してもらいました。

・講座参加者は、学生(高校生~大学生)9名で環境事業協会スタッフ3名、ブナ愛樹クラブ会員の参加者は11名でした。

・講座の狙いは、天然記念物の和泉葛城山のブナ林を観察することにより、ブナ林の現状・自然の豊かさ、生物多様性を実際に見て、ここで行われているブナ林の保護増殖・保全活動の現状を知ってもらことです。さらに、実際の保全活動を体験して、受講生の将来の自分の活動を考える機会になることを期待しています。
・これ以外に、ブナ愛樹クラブ会員による、お楽しみの企画も盛りだくさんで一日楽しんでもらえたのではないかと思っています。


講座終了時に受講生・スタッフ全員で記念撮影

<講座の内容>

1.ブナ林の見学

午前中はブナ林の見学です。最初に「和泉葛城山のブナ林の観察」の資料をつかって、和泉葛城山のブナ林の概要を簡単に説明後、2班にわかれて、ブナ林へ向かい観察開始

日本のブナ林と和泉葛城山のブナ林の特徴、ブナ林の保護増殖活動など解説


黄色く色づいたタカノツメ

ブナ林の中で、さまざまな樹木を観察、ブナとイヌブナの違いも確認
秋が深まり、多くの落葉樹が紅葉し、落葉し始めている樹木も多く見られます。
ブナは黃葉から褐葉・落葉へと変化しています
樹齢300年の伐採されたブナの切り株や
保護増殖活動でバファソーンに植栽されたブナ、
ブナの種子調査のためのシードトラップも見学



ブナ林の環境を調査するための気象観測装置を見学
 
気温、降雨量だけでなく風向、風力、土中水分などもコアゾーンの10箇所で測定中です
  ブナ林が今後も維持できる環境か?解明がすすむと期待されています。

2.ヒノキの間伐体験

・午後の最初はヒノキの間伐体験です。植栽から枝打ち、間伐、主伐までの森のサイクルの説明をしたあと、実際に60年ほど前に植栽されたヒノキの間伐を体験したもらいました。



尾根の上と下で2班に別れて、間伐体験です

受け口、追い口を受講生が交代でノコをつかって切っていき、ロープを使って狙いの方向へ
伐倒していきます。

尾根の上の状況です














尾根の下でも

慎重に追い口を切っていきます

手前側に伐倒するのが狙いです

伐倒後は、枝を切り、玉切りをおこないました

初めてノコギリを使った受講生もだんだんなれてきたようです

玉切りしたヒノキの一部は、輪切りにして樹皮を剥き、お土産にもってかえった受講生もいました
ヒノキのいい香りがするので、ヒノキ風呂にして楽しんだり、下駄箱の消臭剤につかったり、いろいろと使えます






3.「おかえりモネ」にでてきた二人両手引き鋸の体験

・NHKの朝の連続ドラマの「おかえりモネ」で主人公のモネが樹齢300年のヒバを伐倒するシーンで使われた二人両手引き鋸を実際に体験してもらう、スペシャル企画です。


「おかえりモネ」のワンシーン
ヒバは、ヒノキアスナロとも呼ばれ、東北でみられるアスナロの変種です。

(NHKより)









・二人両手引き鋸は、以前は林業や大工の丸太加工で使用されていましたが、チェンソーが開発されてから使用することは無くなりました。 両挽きタイプの刃で押し・引きどちらでも切れ、二人一組のチームワークが大切です。
・いまでは手に入れるのも難しいですが、企画した吉崎さんがオークションでみつけて手に入れ、サビを落とし、刃を目立てして使えるように復活させた特製のノコギリです。



 丸太を、台に固定して2人で呼吸をあわせて切っていきます。

最初はなかなかコツがわからずうまくいきませんでしたが、次第に調子がでてきました。交代して体験してもらいました。












サリーさん(部長)も参加














輪切りにしたヒノキはお土産に














両手引き鋸以外にも吉崎さん秘蔵の鋸をいくつかもってきてくれました。今では見られないものばかりです。

左は、大木を切るための大鋸です。
北海道の原生林を開拓するときにもつかわれたのではないでしょうか?


かき出し刃がついた大鋸
切断時にでるおが屑をかき出し刃で効率よく掻き出すので切断が素晴らしく早い鋸。

木製のケースや持ち手も吉崎さんの手作りです。見事な加工です。





木挽き鋸です。吉崎さんが鋸を斜めにもっているのを写したので短くみえていますが幅40cm、長さ1mほどもある鋸です。

木挽き鋸は、丸太から板を切り出すときにつかう鋸で、刃の形状も横引き鋸とはちがいます。
ベテランが使うと一度の引きで5cm以上もきれるとか。

一度和泉葛城山でも実際に太いヒノキをつかって板の試作をしてみたいですね。








4.ヒノキのクラフト作り

・次に受講生に間伐したヒノキの枝をつかったクラフト作りをやってもらいました。時間の関係で使用するヒノキの枝や台はあらかじめ吉崎さんが準備したものを使用しました。


準備した材料

丁寧に磨いた、ヒノキの枝と
台になる輪切りの檜板













熱心に枝をネジや接着剤をつかって台にとりつけています。

枝の出方にはいろいろあるので、アクセサリー掛けや、鍵掛け、帽子掛けなど工夫しだいでいろいろに利用できそうです。

ヒノキの枝は樹皮を剥ぎ取り、白い幹が白くて美しい。

参加スタッフやたまたま来場されていた岸和田市の職員の方にも持って帰ってもらいました。
●先日岸和田自然資料館に伺ったら1階の受付横に飾ってありました。エビフライのクラフトも引っ掛けてありました。








ドリルで穴をあけてとりつけ、
しっかり固定すると長くつかえます















5.リスのエビフライとは?

・お土産には、ブナ愛樹クラブ特製のリスのエビフライでつくった、リックやカバンにとりつけたりできるクラフトを準備しました。これは、前田さんの特製でリョウブの幹の輪切りに通称エビフライをとりつけたクラフトです。
・エビフライとは、リスがアカマツの球果の中の果実を齧って食べた結果残った食べかすの芯の部分の形が海老フライに似ているので通称エビフライと呼ばれています。作業小屋の前にあるアカマツにいつもリスがきてエビフライを大量に落としていきます。リスの食堂になっています。夜に活動するらしく、昼間の活動時にリスの姿は見ることがありません。



裏面には、ブナ愛樹クラブのこのブログの
URLがQRコードの形で印刷されています。
前田さんが工夫をこらして木の板にQRコードなどを貼り付ける技術を開発したものです。
他ではないオリジナルのクラフトです。

表には、エビフライとちょっと洒落てフランス語で下記の文字が?どんな意味でしょう?

Crevettes écureuil frites 



幸い受講生にも好評で早速リックに取り付けている人もいました。

ブナ愛樹クラブの会員達の創意工夫にあふれた楽しい講座になりました。

受講生の皆様、また是非和泉葛城山に起こし下さい。待っています!!


2021年11月21日日曜日

11/7定例会  

ん、これはなんだ?

 山仕事に少しでも関わったことのある人ならピンと来るはず。これは、樹木を伐採するときの切り込みの形を示す「教材」です。次回(11/20)の学生ボランティア養成講座のため吉崎さんが手づくりしたもの

 右側の切り込みは「受け口」と言い、樹木が倒れる側です。切り込み方によって倒れる方向が決まるので神経の使いどころです。左側の切り込みは「追い口」と言い、黒い2本の「ツル」を残したところまで切り込みます。ここに楔(くさび)を打ち込んだりロープで引いたりして倒します。そのとき「ツル」は退避の時間かせぎや飛び跳ね防止などの重要な役目をします。ツルの幅や高さを適切に確保しておくことが必要です。俗に「ちょうつがい」などとも言われる樹木の伐採に欠かせない技法であります。


この日のプログラムは、いつもの山仕事と
次回の学生養成講座の準備と…

 参加は9名。女性3名。


11/20の学生講座の準備も万全

 まず、11/20開催の学生ボランティア講座用に、駐車場奥のヒノキを1本を間伐。これには新会員女性の研修を兼ねて実施。まず伐倒方向を確認します。
 冒頭の、切り込みの教材も利用して、受け口、追い口の作り方を確認し、幹の上部にロープもとり付けます
。ロープの取り付けは難しいのでベテランが実施。

伐倒方向を決め
安全確保のために
ロープをかけます


受け口ができると追い口に取り掛かります。

追い口が完成すると、ロープで安全な場所から引いて伐倒します。

予定の方向に、かかり木もせずに、倒れたヒノキは、枝を落とし、幹を玉切りにします。

最後はチェーンソーも出動して玉切り
玉切りした丸太は、次回の講座用に小屋まで持ち帰りました。

当日のヘルメット、作業用具など準備もでき講座の準備は万端整いました。


いつも通りの保全活動も

 和歌山県側のブナ植樹本数の調査。元売店を背にして、神社右手の脇道で大阪側に生える4-5本は別にして、右手の和歌山寄り16本、左手に9本を確認。PEの赤色テープを付けました。合計25本。中には4mを超えるものもあります(元売店横にある1本は別です)。今後保全を検討したいと考えています。

 

 ブナの紅葉ぶりも様ざまです。


 栽培しているシイタケが収穫できました。今年最初です。
 お昼に朝井さんがコンロで焼き、皆さんに一口ずつプレゼント。
美味しいハツモノでした。

 いつもながら素晴らしい大阪湾の景色!関空がよく見えています。  朝の気温12℃。お昼休みには23℃になりました。

 


山頂の南斜面にススキ草原が復活

粉河寺方面の視界もきれいに見えています。ススキがきれいです。

和歌山県側の南側斜面は以前は茅場として利用されていて、いま岩湧山でみられるようなススキの草原であったとおもわれます。近年利用されなくなり、キャンプ場などとして使われる場所以外は、スズタケなどの笹やコナラなどの落葉樹に覆われるようになってました。

企業の森林保全活動で笹が刈り取られた場所ではススキが復活し、さらにリンドウやセンブリ、アキノキリンソウ、オミナエシなどの草原の草本も再生して見事に花を咲かせるようになっています。

埋土種子から発芽したのか、それとも笹の陰でひっそりと命をつないでいたのか?自然の再生力には驚きます。

 リンドウ、アキノキリンソウなども満開。
日光を浴びて花を開いているリンドウ、あちこちに見られます。
林の中ではツルリンドウが多く見られますが日当たりが良くなった
この草原ではリンドウが復活しています。



センブリの花も咲いています

ほどんどが種子になっいる株でも咲き残りのオミナエシの花が見られました

・企業の保全活動では、この草原に木を植えるような計画もあるようですが、できれはこの貴重な草原をのこしてもらいたいものです。