2022年4月29日金曜日

4/28の活動報告 
十分な戦力に 保全活動も全開しました

 参加者11名に加えトラストから1名と総勢12名。

 


天候にも恵まれ、昼には気温21度、湿度50%と爽快な活動日でした。



 ―午前の活動―
●ナラ枯れの薬剤処理樹の選定
沿道の枯木の処理
ハチトラップの設置

ナラ枯れの薬剤処理樹の選定
 トラスト協会から参加された石山さんから自己紹介と、参加目的の説明がありました。石山さんは、ナラ枯れについて、ナラ枯れ防止のための薬剤処理する木を選定するため参加されたとのこと。

・3名が石山さんと途中まで同行して、蕎原登山道沿いのコナラを確認して薬剤処理木を選定していきました。途中で分かれてブナ林周辺の観察を行いました。

・後日トラスト協会と業者で選定したコナラに薬剤注入処理を実施する予定です。

沿道の枯木の処理
  作業小屋前の駐車場の横の斜面に枯れたアカマツがあり倒木すると危険なので伐採しょりしました。


ハチトラップの設営
 ハチトラップはPETボトルを10本作って要所の木に吊るしました。

 昨年度同様の作業でした。

ハチトラップの作り方
 日本酒2リットル2本、穀物酢600cc 2本、砂糖1kg
をバケツに入れて棒で混ぜて溶かし、ボトルに分けて入れます。NTカッターで3cm角に「H」に切り込みを入れ、上をペットボトル外側に曲げ、下を内側に曲げておきます。(この形状がポイントで蜂が香りに誘われて中に入ると出られなくなります)

 適当な長さのPPロープをペットボトルの口に徳利結びにし、木に吊るします。

早速蜂がよってきていました。


お昼もテンコ盛り!

 お昼は、山條さんが朝井さんから指導を受けて天ぷらに挑戦。コシアブラ、タラノメ、シイタケ、エンドウを美味しく頂きました。差し入れも多くて、楽しいひとときでした。


ロープワーク教室

 昼休みには恒例ともなった清水さんのロープ講習会がありました。今回のカリキュラムは、ふた巻き・ふた結び、引き解け結び、もやい結びでしたが…。

 清水さんはご自分の技術をメンバーに伝えたい一心です。果たしてその一心にメンバーは応えることができるか?

 ロープワークを身につけることはハタから見るよりはるかに難しくはありますが、山仕事には欠かせない技術なのです。

 ―午後の活動―
ブナの植樹(2023/3月)候補地の選定

「和泉葛城山ブナ林天然記念物指定百周年記念植樹」の実施の候補地です。

ブナの植樹候補地を決定
ブナの植樹候補地の調査を行いました。
候補地として作業小屋の下、台風で多くのヒノキが倒れた近くに、畑より5本移植した場所を候補地として調査しましたが、植栽したブナは確認できまませんでした。2年前に3本が生育しているのを確認しているのですが、その後枯れてしまったのかもしれません。添え木にくくられた札には「2017.3.23 畑より移植」と書かれた文字が空しく残っているばかり... 周辺は斜面の傾斜が大きく作業がしにくいので別の場所の調査も行いました。


 また、山の上に植樹したブナを見つけましたが、遠くて、険しいところでした。

 結局、2014年の作業小屋したの植樹地とその下の道の間に今回植樹の候補地と決めました。今後の活動で、ヒノキの間伐などを実施して、2023年3月の「天然記念物指定100周年記念植樹」に備えたいと思います。

その他 こんなトピックも
 トラストの石山さんから、一昨年のブナ大豊作のとき、大阪市立大学植物園で唯一芽生えたブナの写真を見せていただきました。順調に育っているようです。


また山頂広場横の今年開花が確認された植栽ブナに果実が大きくなっているのが確認できました(直径1cmほど)。今後順調にそだってくれることを祈っています。

大きくなった果実

多くの果実をつけているのが確認できます。






2022年4月18日月曜日

 


4/16 活動報告
少人数で しっかり 愉しみましたぞ!

 この日の参加者は5名とちょっぴり少な目…。山仕事には十分とは言いにくい戦力ではありました。

 午前10時の気温は7度。


 おまけに風が強く寒い一日でした。



もちろん
まずは山仕事!

 まずはブナ! これはもう、メンバーのココロに染み付いた本能のようなもの。本能に従い、午前中は山の保全活動にいそしみました。

 これは、旧売店横のブナの開花状況を確認しているところであります。花は既に落花していて、雌花の結実前を確認。


 また、前回、花芽を確認したブナのナンバー表示杭の再確認をして、一部を修正しました。


そして午後…
山の幸が呼んでいる!

 呼ばれているなら、みんなで愉しもう!  というわけで、まずは全員で大豊作のシイタケの収穫に取り組みました。

 収穫したシイタケを朝井さんが並べれば、メンバーがその大きさに目を見張ります。もちろん小っちゃいのもありますが、中には異様にデカイのも……。一部は干しシイタケに!


 一方あたりを見渡せば、タラの芽が出かかり、コシアブラの新芽はまだ少し早く、次回の活動日にはすでに遅いか…、ビミョウなところであります。ちょうどよいころにやって来たハイカーのものになるのか?

 まあ、だれの口にはいってもいい❣ 
 小屋の前にはたくさんのヒゴスミレが咲いておりました。
ヒゴスミレ

シハイスミレ

 昼になっても気温は9度とさして上がらず、うすら寒い一日でしたが、しっかり愉しんだ一日ではありました。


2022年4月14日木曜日


4/13 花芽調査
うれしい調査結果でした。

突然の開催でしたが、参加できてよかったです。
             高原喬二    


 参加者6名:土井代表、田中先生、山條、朝井、高原のメンバーとトラストから石山氏。


 ブナの花芽と若葉が出てくると、調査の判定が難しくなります。ブナの若葉だけでなく、他の木々の若葉の出ないぎりぎりの日程でした。

 58本調査しました。4/3に土井代表が調査した77本と合わせて135本。豊凶指数=5(=花芽が樹冠に80%以上)が35本と、25%もありました。

 うれしい調査結果でした。順調に育ち、実がなれば種拾いをして、苗を育てることが出来ればと思います。


 朝、山は運転中キリがかかり視界20m、作業小屋で着替えした頃にはキリは晴れていました。


 元売店横のブナ(和歌山―47)は豊凶指数5、花芽を一杯つけています。(緑のところはすべて花が咲いている。樹の上部や奥の方の枝は、若葉がなく細い葉芽がまだ膨らまない状態)


 前回4/3にこのブナの開花を観察したときには花芽が開きかけたところでした(4/3のブログ参照)。

10日経って、雄花の花柄が長く伸びてぶら下がって花粉をだしているのがみえました。雌花も上向きに飛び出しています。また若葉も大きくなってきました。

花芽と葉芽が一緒に入っている「混芽」がこの様に雄花、雌花、若葉が目立つようになり開花がよくわかります。花芽が入っていない細い「葉芽」はまだ膨らんでいないのでこの時期は、ブナの樹の開花状態を観察するベストのタイミングです。もうすぐ葉芽も展開して若葉がでてくると混芽と葉芽の区別が双眼鏡で観察してもわかりにくくなり、調査は難しくなります。

もうすぐ垂れ下がっている雄花は落花してしまいます。
樹の下に一面に落ちて目立つようになります。
上向きに1つ見えているのが雌花序

雌花(頭上花序)の拡大です。雌花の先から赤い柱頭が見えています。一つの雌しべに3本の柱頭がでています。この中には2本の雌花があり秋には2個の果実が実ります。ブナの樹は風媒花ですが、雌花は同じ花序の雄花が花粉を出すよりの先に咲き(いわゆる雌性先熟)、雄花が咲く頃には雌花は受粉状態ではなくなり、同じ花の雄しべの花粉での受粉ができないようになっています(同花受粉の防止)。

ブナの雌花序:右に赤く見えているのが柱頭


午前中の調査は、神社下の公園からブナ林に入り下のデッキまで。午後は、先日作った作業道柵から入り、通行禁止だった蕎原方向から神社の方に向かいました。




N367 ほとんどの枝に花芽をつけて開花している。
この時期は、混芽の若葉だけが開いているので開花しているのか見分けやすい。

 コバノミツバツツジが満開。


 
ブナ林を歩いているとあちこちで白いタムシバの花が見られます。コブシの花によく似ていますが、落ちている花びらをもんでみるとコブシと違っていい香りがします。



コブシの花と違い花の下には葉がありません。

林床ではニリンソウとスミレがきれいでした。



 神社石段から蕎原への通行止め登山道は、工事が終了して開通。


 神社階段真下のえぐれた道の改修や

 下デッキも補修されていました。


 
「大阪府立環境農林水産総合研究所(環農水研)」の研究員の方がシードトラップの設定に

 環農水研の研究員の3名がブナのシードトラップの設定をしているのに出会いました。ブナ林のコアゾーンの4箇所に設置してブナの果実や葉が落ちてくるのをトラップし、定期的に採取してブナの結実状態を調査していく計画とのことです。

急斜面での設置は大変です。昨年はほとんど果実の落下は見られなかったのですがことしは、開花が多いので沢山の果実が採取できることを期待します。

 環農水研の研究員の方に田中先生がブナ花芽調査の説明をされていました。ブナへの想いはいっしょです。

 

 この日はシイタケの収穫があり、朝井さんのシイタケ手料理とお土産とになりました。花芽といい、シイタケといい、うれしくもたのしい一日でした。


2022年4月11日月曜日

 4/3は、2022年度はじめての定例会でした。

 参加者は少なめの7名でした。山頂付近は霧がでていて少し雨がぱらつく時間帯もありました。昼ごろは、9度ちかくになりましたが、2時頃に一時的に雨が本格的に降り始めたので早めに活動を切り上げました。帰ることには雨はやんでいました。




シイタケが一斉に成長して豊作です。カゴ2杯、昼に朝井さんが焼いてくれたのを食べ、残りは参加者で分けて持って帰りました。

今年は、山では時々雨が降ったのがよかったのか。
まだしばらくは取れそうです。大きく成長したのを採取した後も
小さいのがまだまだ沢山あります。4月いっぱいは取れるかな?


今日の活動は、2班に分かれて行いました。
1.ブナの開花調査
2.前回確認した危険な枯れアカマツの処理


1.ブナの開花調査

 昨年(2021年)はブナが全く開花しない年でした。その前年(2020年)が和泉葛城山のブナ林全体が一斉に開花した影響で疲れ果てた(養分を使い果たした)ブナが一休みした年だったようです。
前回の定例会で花芽が膨らんでいるブナがあるのを確認していたので今年は期待できるのではないかと、弘田さん、中室さん、土井の3人でブナ林のコアゾーンのブナの開花調査を行いました。

ブナの冬芽には、葉と花の両方を含んだ「混芽(こんが)」と葉だけを含んだ「葉芽」の2種類があります。真冬には、混芽も葉芽も固く閉じていて大きさの違いはあまりありませんが、春になるとまず混芽が大きく膨らんできます。この段階で混芽と葉芽の区別がつくようになってきます。前回の3/24より混芽の膨らみが大きくなり、区別がつくようになり一部は開花していたので調査を行いました。

コアゾーンのブナ 77本を確認し、そのうち19本が全体(枝の80%以上)に花芽をつけて膨らんでいました。この日の調査したブナの平均の開花割合が39%、開花指数で2.2でかなりの良好な開花状態となっていますた。次回以降さらに範囲を拡大して、追加調査する予定です。

霧がでて霞んでいますが、花芽が膨らんでいるのがわかります。
この木は全体が開花していました。(豊凶指数5)

2020年に開花した山頂広場の旧茶店横の植栽ブナが2年ぶりに開花していました。身近に見られるので花をじっくり観察できます。


混芽が膨らんで、芽鱗が開き少し開花しています
細いままの芽が葉芽です。葉芽が膨らみ葉が出てくるのは混芽よりだいぶ遅れます。
    膨らんだ混芽から雄花の先が顔を出しています。


    さらに開花が進み、茶色い芽鱗が開き雄花が垂れ下がりはじめています。こ雌花は雄花が花粉を出すようになるより早く開花します(雌性先熟)
     

 2.前回確認した危険な枯れアカマツの処理

・枯れて、山頂ドライブウェイ側へ、枝が張り出し倒れかかって危険なアカマツを処理しました。
不安定な状態で枯れたアカマツが道路上に枝を張り出しています。
安全に作業するにはどう取り組めばいいかベテラン3人で検討中です。
ロープをかけて枝を少しずつ切り、取り除いていくのが良さそうです。

危ない枝を順番に処理

今回の作業後の状態

・危ない枝は処理できましたが、枯れた幹がのこっていて、その横のもう1本の枯松を含め今後処理を検討します。


塔原の1本サクラ?

・和泉葛城山からの帰り道で、塔原バス停から少し登った林道から、棚田がひろがる谷の向こうの遠くに巨大な桜が見えていました。ちょうど満開のソメイヨシノの様です。横にお墓が見えているので、岸和田市の「景観重要樹木指定第2号」の「塔原町のサクラ」と思われます。こちら側から見ると一部は樹木で隠れていますが1本のサクラが枝を広げている様です。その巨大さはおどろきです。



塔原の1本サクラの動画(参考に)