2021年4月30日金曜日

 

 和泉葛城山の自然 

和泉葛城山の春の花(4/22-26)を更新しました。

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2021年4月28日水曜日

4/26 今期2回目の
トラスト協会ナラ枯れ調査に参加:
約100本のコナラの観測を完了しました 

 4/26 トラスト協会ナラ枯れ調査の2回目に参加しました。和泉葛城山における薬剤処理などのナラ枯れ対策を国へ申請するための現状調査です。アカガシ、コナラなどのナラ枯れ状況、位置を調べていき申請の基礎データとします。
 トラスト協会の牧野事務局長と石山さん、きしわだ歴史資料館の岡本館長、岸和田教育委員会の女性職員、岸和田テレビの取材陣2名。そして当クラブからは、田中先生・土井代表・山條さん・朝井さん・高原さんのメンバーが参加しました。

最初に本日の調査内容の確認等の打ち合わせです




 神社石段から下のデッキまで右手にあるアカガシ4本の胸高直径を計測。神社階段側から下のテラス方向に1231454103(以上、センチメートル)でした。GPSで位置もチェックしていきました。

巨大なアカガシの胸高直径を測定しています。
常緑広葉樹のアカガシがブナと一緒に生育しているのが和泉葛城山のブナ林の特徴です。
<標高の高い場所に生育する多くのブナ林は落葉広葉樹林帯に広がり高木の
常緑広葉樹は生育していません。標高の低い場所に生育する和泉葛城山の
ブナ林特有の生態系です>

2021年4月23日金曜日

 4/22(木) 久しぶりに定例会を実施しました。

今月は2回の定例会が雨天中止になりましたが、久しぶりに9名の参加で定例会を実施しました。

休んでいる間に季節が進み、春の花がどんどん咲き進み、新芽も大きく成長しました。タラの芽やコシアブラの新芽も丁度食べごろで昼には朝井さんが天ぷらにしてくれました。春の味覚を堪能することができました。

作業は先月から継続している作業道の倒木の処理と前回準備したコナラのホダ木へのシイタケ菌の植菌作業(原木への種菌の植え付け)です。ブナ林の開花状況も調査を実施しました。


今回から、これまでの緑のヘルメットの耐用年数がすぎたので白いヘルメットに交換しました。①飛来・落下物用と②墜落時保護用の両方の機能があるスマートなヘルメットです。全員分購入しましたので名前をヘルメットの後ろに記入して使用してください。集合写真でかぶっている白いヘルメットがこれです。

<下図は今回のヘルメットのHPの情報の引用です>

新しいみどり安全製のヘルメット
<SC13BV RA KP付 ホワイト>
通気孔が目新しいです→




サイドのつばが小さく、雨が前後に流れるようになっています。通気の効果は夏場にならないとわかりませんが期待です。頭のサイズ調整も簡単にできました。

作業道の整備--2018年の倒木により通行が難しくなっていた作業道の整備(ブナの植栽地へ通じる道)を継続してきましたが今回の整備でこの作業道の整備は完了しました。

作業道の上に斜めに倒れかかっているヒノキを安全に処理する為に
ロープを使い慎重に作業を進めていきます。

処理したヒノキを作業道脇へ整理して行けば作業は完了です。

作業道がきれいに整備されたので、一般の登山者が間違って侵入してしまう(行き止まり)ことが懸念されますので、次回以降入り口に侵入防止の柵を設置する予定です。吉崎さんが立派な柵を設計してくれたので完成が楽しみです。

コナラのホダ木へのシイタケ菌の植菌作業(原木に種菌を植え付け)

コナラのホダ木にドリルで穴を開け、種菌を打ち込んでいきます。那須さんと梶川さんが担当してくれました。手際よく作業を進めています。

シイタケの種菌は400個、使用したのは、【駒菌】で 水分調整した木片(駒)にしいたけの菌糸を培養したタイプの菌です。来年の春にはきのこがでてくるかな?

2021年4月22日木曜日

4/18 有志メンバーで花芽調査を実施しました 

 参加したのは、田中先生・前河先生・那須さん・朝井さん・高原でした。
 発端は、4/2の「ナラ枯れ調査」のとき、岸和田自然資料館の岡本館長が「N1のイヌブナに花芽がある」と言われていたのに触発され、「では日を改めて、ブナを中心に花芽の確認しよう」となったもの・・・。
 山小屋から観測器周り展望台神社周辺と多方面を観察して回りましたが、新緑の新芽が旺盛な中、花芽を確認するのはなかなか難しい作業でした。
 
そんなわけで、評価としては確かに花芽はいくつか確認できましたがめざましい印象ではなかったと、ご報告いたします。

 気象観測器No.9の周りの樹木を調べたましたが、確認はできませんでした。

 田中先生からは、前回実施した「ナラ枯れ」も併行してチェックしていきたいとのことで、神社階段から下のデッキ間の場所にアカガシの巨木3本を確認。果たしてナラ枯れは?


 終了近く小雨となり、寒冷前線通過で温度か急に低下(10分間で2.4度下がり6.3度。湿度は14%上がり75%)

 そぼ降る雨の中、前河先生お得意のトランペット。二―ノ・ロッソとおぼしき旋律が作業小屋に流れました。これは良かった!


2021年4月5日月曜日


4/4の例会は雨の予報で中止になりましたが
有志でブナの花芽調査を敢行しました

 4/2の「ナラ枯れ調査」には当クラブのメンバーも複数同行していました。クラブメンバーとしては「ナラ枯れ」とともに、やっぱり気になるブナでした。(念のため付言すれば、「ナラ枯れ」はブナ科の樹種が被害を受ける伝染病ですが、幸いなことにブナ科でもブナ属に属するわれらが「ブナ」は、被害を免れます。)
 ナラ枯れ調査のとき、ブナの花芽がさかんに萌している気配を感じました。3/25には分からなかった神社裏のN24がたくさん花芽をつけていましたし、展望台の作業小屋寄りにもたくさんの花芽をつけた一本がありました。
 今年は木々の成長も早いようで花芽が見にくくなるから、4/4の例会では花芽調査をしたらどうかと田中先生から提案があったのですが、雨の予報で例会は中止に。それならと、有志5名で実行する運びとなったものです。


 参加したのは、田中先生、那須さん、前河先生、朝井さん、高原の5名。


 調査は、9時20分から始めて12時50分まで、およそ3時間半ほど実施しました。大雨の予報でしたが、曇りで調査が終わるころに少し降られた程度でした。

 最初に先生から旧売店横で以下の説明がありました。
 ・93年植樹のブナは今年は花芽がないが、昨年たくさん花芽を付けた。
 ・ブナは大豊作の年でも、一本の木にすべての枝に花芽を付けない。
 ・また大豊作の年に、すべての木が花芽を付けることもない。




調査の結果は?

 調査の結果をご報告すれば、調査したブナ62本中、評価5が1本、評価2が5本、それ以外の56本は評価1でした。(評価5は樹冠にたくさんの花芽、評価2は枝に花芽あり。評価1は花芽ナシ)

 評価5だったN34からは、花芽が2つ落ちていました。鳥が花芽の雌花を食べたときに花芽が神社の石段に落ちたもののようです。

 雌花だけを食べていたのが分かります。

  
 今回感動したブナは評価2のN99です。「下のテラス」の斜面の下にある直径1mを超す、幹がまん丸の巨木。田中先生の表現によれば「箒を立てたようなヤマケヤキ」に似た素晴らしい樹形が見事です。



枯れ葉の裏にかくれたブナの芽生えを発見!

 田中先生から、枯葉をやさしく払うとブナの芽生えを見つけることがあるとの提言があり一同せっせと励んだら、なんと素晴らしい発見が! 前河先生が落ち葉の中からブナの芽生えを1つ見つけたのです。まだ双葉はありませんが「根」が出ていたのですよ。

 

白い根が種子から芽をだしています

〈おまけ〉

 おじさんがワラビ採りに来ていました。まだ少し早いようです。


 不法伐採されたブナの巨木も朽ちてきました。ブナが枯れると虫や鳥や菌類が活躍! カミキリムシやキクイムシなどが卵を産み幼虫が木部をたべていきます。また立ち枯れたブナはキツツキ達のの餌場や巣になります。最後にはさまざまな菌類がブナを分解して周りの木が吸収できる栄養にかえていきます。世の中うまく回っています。


2021年4月3日土曜日

4/2 和泉葛城山の「ナラ枯れ」の発生状況はどうか?
専門家の調査チームに同行しました

 近年、カシノナガキクイムシ(カシナガ)が媒介するナラ菌によりミズナラ等が集団的に枯損する「ナラ枯れ」が発生しています。水を吸い上げる機能を阻害して枯死させるナラ類やシイ・カシ類の伝染病です。

 では、和泉葛城山での被害状況はどうか? それを探るべく専門の先生方がチームを組んで調査を実施。メンバーは京大農学部森林生物学の山崎先生、きしわだ歴史資料館の岡本先生、長居自然史博物館の佐久間先生、当クラブメンバーでもある田中先生、トラストの牧さん、石山さんでした。私(高原)も同行しましたので、その様子をご報告いたします。


 調査エリアはお馴染みのコアゾーンとバッファゾーンです。

 ナラの木をつぶさに観察し、対象木は24本に及びました。
 「ナラ枯れ」の木は幹に直径約1~2mmの穴がたくさん空いています。楊枝の先ほどの穴、楊枝の大きさの穴、2種類のキクイムシがいるようです。

 こんな倒木にも穴があります。

 調査の結果としては、現況は「軽微」、しかし、突然大群で押し寄せてくるので油断は禁物というのが先生方の評価でした。

 「ナラ枯れ」の木は梅雨明け後から晩夏に急に枯れ、葉が赤褐色や茶色に変色して落葉しません。
 対策としては ・樹液を出してキクイムシの活動を押さえる ・誘引剤でおびき寄せる ・ブナに注入する薬で虫の進入を止める ・伐採する、などを状態に応じて実施する必要があろうとのことでした。

 調査結果が対策に生かされ、被害が最低限に終息することを願って調査を終了しました。