2020年11月27日金曜日

11/26も ブナの種子回収に挑みましたが… 

 クラブでは11/21の定例活動に続きこの日も種子採取活動に果敢に挑みましたが、これまでのところ結果は思わしいと言えるようなものではありませんでした。クラブのブナの増殖のチャンスを逃がすまい…」の思いは果たして実を結ぶのか… この日の状況をご報告。 

 

 本日の定例会の参加者は、11名。コロナ感染の拡大でマスクして整列!


日なたの気温は20度を超えていましたが少し風もあり、日陰は冷たい晩秋の山でした。関空がよく見えていますが、以前は多かった関空の航空機の発着はめっきりと少なくなり、最近はほとんど見られるません。














 この日は 田中先生も参加。トラスト協会から来場のお二人は気象観測に。


ブナ愛樹クラブが設置したトラップとネットは21日に来て採取済み。新たの種の落下はほとんどありませんでした。

 
トラップの上のブナの樹の枝にはまだ殻斗が沢山ついているのが見えますがほとんどが口を開いていて種子は落下したようです。 

 

このトラップ・ネットでの今年の種子採取は、今回で終了し、午後にはネットなどを回収しました。 
期待していたほど種子が採取できず残念でした。


        枝先の口を開いた殻斗と冬芽に褐色になった葉



 これまで活動の対象としたことがあまりなかったデッキ3は、塔原道と蕎原道をつなぐ作業道にあります。一抹の期待を抱いて種拾いに行きました。周辺にブナの木はありますが、デッキ周囲にはなく、残念ながら種子や葉はデッキ上には落下していません。たくさん積もっていた枯葉などのを掃除して帰りました。

 なお、テラスやらデッキやらの呼称については、すでに11/16の活動報告から用語の統一を図っていますが、トラスト協会に倣ってこれからも以下のようにいたします。

・牛滝道のデッキ1(=これまで上のテラスと呼んでいたもの)     
・塔原道のデッキ2(=これまで下のテラスと呼んでいたもの)
・作業道のデッキ3(塔原道と蕎原道をつなぐ作業道にあるデッキ)


11/26にデッキや作業道、ブナの木の下などいろんな場所で採取した種子を沈降テストで確認したところ、ほとんどが水に浮き、虫食いとシイナでした。水に沈降したのは十数個でした。残念!

    

 帰途、塔原のブナ苗畑の状況を見てきました。こちらの方は以前と変わった様子もなく、まあ、順調でした。(但し1本が枯れて合計6本になってしましました)


前回の末尾クイズの答です

 最後に前回のクイズの答を。

 問題は「実をつけたのは上の枝か下の枝か?」でした。

 正解は上の枝。
 下の黄色が強い枝が花芽を付けなかった枝でした。上の枝は花芽を付け、殻斗を付けた枝です。先に枯葉となって落下します。

(以上、ブログ担当)   



2020年11月21日土曜日

11/21も 種子回収活動に汗をかきました
―― 見学の健老大学の皆さんもご一緒に 一一


 定例会に岸和田の健老大学のみなさんがゲスト参加されました。午前はブナ林の散策・見学、午後は、午前中にメンバーが集めたブナの種子の精選作業を見学されました。ブナ林の美しさやブナの神秘にふれていただくことができました。
元トラスト職員のOさんもh久しぶりに参加してくれました(左端)。


  
山頂の神社あたりを散策



あちこちに沢山ブナの殻斗や種子が落ちています

  晩秋のブナ林を散策





 午後は集めたブナの種子の精選、このときもほとんどの種子が浮いてしましました。



この日は午後でも11.6℃、日陰は寒いです。
     
   真っ赤に色づいたウリハダカエデの幼木の紅葉

コハウチワカエデの紅葉です。和泉葛城山の紅葉の最後を飾るあざかやな赤です。


ミヤマシキミの実も真っ赤のなってきました。美味しそうですが有毒で食べられません。


 

2020年11月17日火曜日

 

11/16は 合同チームでブナの種子回収! 
ブナの実の豊作に いま 採取活動が熱気をおびています。

 和泉葛城山のブナの結実が数年に一度の豊作とあり、ブナの増殖のチャンスを逃がすまいとクラブでは定例活動日以外にも果敢に採取活動を行っています。今回は田中先生以下のメンバーに関連2機関の参加も得ての活動でした。
 参加者:田中先生、山條さん、藤原さん、那須さん、朝井さん、高原、きしわだ自然資料館・岡本館長、トラスト協会・岡さん・山本さん、計9名 


 まず、11/8に小屋で乾燥していた落ち葉混じりの種子を、まだ湿気があったためベランダに干しました。前回、デッキ1(牛滝道寄りの上テラス)で収集したものです。
 
午後、種子を選り分け、沈降テストにかけました。

 今回も、前回に引き続き二つのデッキ(テラス)で種子の収集をしました。


 午後からは、神社の階段の中段右手N25(前回の沈降テストで10%と良かった)神社左手コアーゾーンのN313、さらにデッキ1(牛滝道の上テラス)手前から左30m程の道沿い域の種子収集を実施しました。



 沈降テストを実施。
 合格35個と非常に少なかったのは残念でした。
  ・前回10%と良かった神社左手コアーゾーンは今回は悪かった。
  ・デッキ1(牛滝道の上テラス)の手前から左30m程の道沿いは若干ながら良い結果。
 完全沈降しない沈水のものも芽の出る可能性があるので残しましたが、これも非常に少なかった。

 データは田中先生が集計されます。

 次回は11/21の定例活動日に行う予定。

末尾クイズです

 最後に、田中先生からのクイズをひとつ!
 次の写真にあるのは、どちらもブナの枯れ枝ですが、明らかに様子が違います。一方の枝は今年花芽をつけ殻斗もつけた枝で、もう一方は花芽を付けず当然ながら実もつけなかつた枝です。さて、実をつけたのは上の枝か下の枝か? 答は次回の投稿の末尾で。

(以上、ブログ担当)   









2020年11月9日月曜日

11/8 メンバー3名で種子回収を実施しました 

 11月8日、田中先生・山條さん・高原の3名でバッファゾーンでブナの種子採取を実施しました。11月5日に続いての活動です。ブナが実を落とすこの時期、頻繁な採取が望まれます。いま、採取頻度は喫緊の課題です。
 今回の採取は、テラス2か所と神社手前参道の3カ所で実施しました。9時半から13時15分までの作業でした。
(高原)


まずはテラスの種子回収


 手始めに、前回に引き続き2か所のテラスで種子採取を実施しました。辺りは写真のように前日夜中までの雨で濡れています。

 現場での選別も手間なので枯葉ごと集めることにしました。集めたテラスの種子や殻斗は落ち葉などと一緒に持ち帰ります。





















 というわけで、テラスは2か所とも掃除完了です。
 テラスで集めた落ち葉混じりの種子は作業小屋に持ち帰り、ブルーシートの上で乾燥。果たして沈降テストの成績はどうでしょうか?



さらに神社手前の<N313>の木の下で100粒!


 神社手前の左側コアーゾーンに日当たりの恵まれたN313のブナがあります。このブナの種子を神社参道のエリアで100粒ほど拾うことが出来ました。
「ほう、これがブナの実ですか」
「豊作の年なんですね」
 採取の手を止めて、通りすがりのハイカーと語らうメンバー。

 ここの種子はテラスに比べ少し大きく、午後からの沈降テストでも10%程合格。(テラスは合格が非常に少なかった。)


<次回の予定>

・田中先生の指導で次回の予定日11/16(月)に、主にブナの木の下で種採取する予定です。木の下の採取は種が見にくいので簡単には取れません。
・採取場所は先生から指示があります。
・当日の状況を見て、その次の採取日を決めます。


ブナをもっと知ってもらおう!

 この日も葛城山は登山者やサイクリングツアーでにぎわいました。そんな皆さんに田中先生が丁寧にブナの状況を説明。
「水に沈まなアカンのですわ」
 ブナを知らない人が多い中、こうした啓蒙活動もクラブの大切な使命です。



2020年11月6日金曜日

11月5日 再度、ブナの種子採取!

<遅くなりましたが掲載します>

<テレビ岸和田(TVK)の最新の4Kカメラによる撮影・取材がありました。>

定例会ではないので本日の参加者は4名、テレビ岸和田のスタッフ(カメラマン)が2名参加されて、ブナの結実の様子やブナの種子の採取の状況、ブナの種子の精選の様子を取材されました。後日放送されるとのことです。
岸和田自然資料館の岡本館長と田中先生が同行して参加されました。



ブナ林のコアゾーンの木道で取材中のテレビ岸和田のカメラマン。
全国でも数台しかない最近式の4Kカメラを初めて使うそうです。
どんな映像になるか放送が楽しみです。上方の枝を撮っています。

  山頂駐車場に駐車中のテレビ岸和田の取材車

       TVK自慢の4Kカメラ、SONY製でシリアル番号がシングル、Canonのズームレンズ付き、高級車が買えるぐらいの値段とか。


  昼でも気温は、10℃、ただし日差しがあったので寒さはそれほど感じません。

この日は、デッキ1,2とブナ愛樹クラブが設置した種子トラップに落下した種子を集めました。種子は沢山落下していますが。

上のデッキ1:落ち葉も除去し今後の種子落下に備えました

岡本館長は、樹に登りネットでブナの樹にまだついている殻斗・種子の採取を試みられました。(ちょっと危ない!見ている皆は、はらはら)

     木道の種子も集めます。


  デッキの上にはブナの葉と種子が足の踏み場もないほど落ちています。



ブナ愛樹クラブが設置したトラッフのも種子が落下しています。


午後は、採取したブナの種子の精選をしました。水に浮く種子は、中の実(胚乳)が成長不良や虫に食べられた種子で発芽しないのでバットを使って選り分けました。残念ながら今日採取した種子もほとんどが浮いてしましました。
(テレビ岸和田のカメラマンは熱心に作業を取材されました)



採取したブナの果実・葉を、篩で葉と果実に選り分けた後、唐箕(とうみ)の代わりに浅丸ザル(梅干し用?)を使って、種子と雑物を風と手技で選り分けます。

  選り分けた種子を水を入れたパットに浮かべて、沈む種子を選り分けましたが、残念ならほとんどが浮いてしまいました。



浮いた種子は割ってみると中に虫の糞(ブナヒメシンクイ蛾の幼虫の食害)がいっばい詰まった種子(下の写真)や、子葉が育たず空っぽの種子で外から見ると凹んでいます。


 周辺のブナ林は黄色くなっています。これらか徐々に褐色になり落葉していきます。













2020年11月2日月曜日

11/01  採取したブナの種子およそ2,000粒?   生きていたのは?

 他の地域が不作とも言われる中、和泉葛城山のブナが数年に一度の勢いで種子を実らせている…、この状況に関係者はこぞって色めき立っています。当クラブもまた例外ではあり得ません。
 前回の定例活動での採取結果が思わしくなかったことついては、これが時期尚早によるもので今後に期待するとしましたが、果たして今回はどうだったのでしょう?(前田)


 この日の参加者はごらんの7名。
前列左から、朝井・藤原・前田
後列左から、土井・田中・弘田・梶川・のクラブメンバ―諸氏



 10時の気温は17.1℃。湿度は59%。
定位置では日光が射しバイアスが生じため日陰に移動


種子の実態の変容を明らかにするため
下のテラス(展望デッキ)のエリアからの採取に
照準を絞って
検証を試みました


 前回(10/22)、下のテラスを
しっかり掃除して、新たな種子の落下に備えたことは既報
(写真)の通りです。

←前回、しっかり掃除された
下のテラス













 今回、このテラスから種子を採取。他のエリアからのそれとは区別します。

















 採取した落ち葉まじりの種子を持ち帰り、ザルで種子だけを選別。小さい粒はオミットされ、正常なサイズの種子だけが残ります。




 選別した種子を袋に入れると、収穫はこれだけ。テラス限定です。

















 これを、およそ10個ずつ、行と列に並べる方法(不覚にも数えるのに夢中で写真を撮り忘れました)で数えたら、およそ800粒でした。けっこうな数ではあります。

 昼休み、弁当を食しながら午後に予定した種子の水没テストに話題は及びます。
 楽観的な予想をする者は皆無でしたが、果たしてどの程度の歩留まりで沈んでくれるのか? 若干の期待がないではありません。

















 さて、いよいよ水没テスト。種子をバットの水に入れると、しっかりと中身があって重く、生きている可能性のあるものだけが沈んでくれます。
 お分かりでしょうか? 白いバットに入れた種子の浮いたものをアミですくい取っています。見事に沈んでいる種子は、この中にありません。

 結果は、800粒採取できたテラスの種子のうち、しっかり沈んだのはたったの1つ! 歩留まりは実に800分の1でした。
 これはその貴重なひと粒です。


種子トラップからも回収 
採取した種子の総数は1,600から2,000粒と


 この日、テラスのほか、バッファゾーンの随所で種子を採取しました。
 前回設置したトラップからも回収。

 シート状に配置したアミのトラップからもかなりの量が採取できました。

 
 こうして、この日に採取した種子の総数は1,600から2,000粒程と推定されますが、水没テストに合格した数はわずかに数粒でした

 今後の展望には二つの見方があります。ひとつは、不調の原因がなお時期尚早にあるとするもの。この見解に立てば次回あたりに期待が持てます。いまひとつは「ブナの木を見ても  もうあんまり実をつけていないようだ」という観察。これが当たれば「人の手で増殖を計る絶好の機会」は委縮するのかもしれません。人の手の入らぬどころでブナの木がしぶとく生きていくことを願うばかりです。

 好天に恵まれたこの日、採取の途中で登山客の一団に遭遇しました。ブナの解説・啓蒙に熱を込めるメンバーの姿がありました。これもクラブの大事な使命です。

















さて、次回の展開は如何に?