2021年4月28日水曜日

4/26 今期2回目の
トラスト協会ナラ枯れ調査に参加:
約100本のコナラの観測を完了しました 

 4/26 トラスト協会ナラ枯れ調査の2回目に参加しました。和泉葛城山における薬剤処理などのナラ枯れ対策を国へ申請するための現状調査です。アカガシ、コナラなどのナラ枯れ状況、位置を調べていき申請の基礎データとします。
 トラスト協会の牧野事務局長と石山さん、きしわだ歴史資料館の岡本館長、岸和田教育委員会の女性職員、岸和田テレビの取材陣2名。そして当クラブからは、田中先生・土井代表・山條さん・朝井さん・高原さんのメンバーが参加しました。

最初に本日の調査内容の確認等の打ち合わせです




 神社石段から下のデッキまで右手にあるアカガシ4本の胸高直径を計測。神社階段側から下のテラス方向に1231454103(以上、センチメートル)でした。GPSで位置もチェックしていきました。

巨大なアカガシの胸高直径を測定しています。
常緑広葉樹のアカガシがブナと一緒に生育しているのが和泉葛城山のブナ林の特徴です。
<標高の高い場所に生育する多くのブナ林は落葉広葉樹林帯に広がり高木の
常緑広葉樹は生育していません。標高の低い場所に生育する和泉葛城山の
ブナ林特有の生態系です>

樫の仲間では最も耐寒性があるアカガシがブナが混じって生育している環境を守っていくために、ナラ枯れの被害を受けやすいアカガシを保護していくことが今回の調査の目的です。










ひときわ目立つ斜面下のコアゾーンにあるアカガシの大木


 午後からは、引き続き上のデッキ周辺のコアゾーンと神社から展望台、蕎原山道のコアゾーンに分かれてコナラの周回りの長さ測定とGPSによる生育場所のチェックを行いました。
 午前と午後で、約百本のコナラの調査を完了。神社横のコアゾーンのコナラにもナラ枯れ被害によるフラス(木屑)が見られました

コナラの幹から大量のカシノナガキクイムシの脱出にともなって出る
フラスがコナラの根元にに白く堆積しているのが確認できました。
(神社横のコアゾーンのコナラ)

 展望台から急斜面を降り、蕎原登山道にでて山頂神社階段方向にコアゾーンを調査を実施しました。途中、イヌブナN390で若実の確認が出来ました(イヌブナN1も花芽あり:4/22報告参照)。 青葉が茂るなか、双眼鏡で確認したものです。

 写真で拡大すると雌花が受粉してすこし大きくなった若実がぶら下がっているのが見にくいですがみえています。雄花もまだ少し残っています。

N390のイヌブナの若実がみえています。
実が上向きいついているブナと違い下向きにぶら下がるのが特徴です。

写真の拡大--イヌブナの若実がぶら下がっています(見えてる??)

 牛滝道への上のデッキに行く途中で田中先生と岸和田教育委員会の女性がブナの芽生え2つを発見。これからもっと芽生えがでてくることを期待しています。この芽生えがどう成長するか見守りたいと思います。

双葉がハート型になっているのが特徴の実生
緑の手袋の指と比較すると大きさがわかります

芽生えたばかりで種子の殻が根本に残っている

  近くには、山條さんが3年目のブナの幼木を見つけました。


 山頂広場のトイレの裏にカスミザクラが満開でした。
 ヤマザクラに似ていますが若葉の色が緑色(ヤマザクラは赤い)で花柄や葉柄に毛があります。
 ヤマザクラより少し遅く咲き、シーズンの最後を飾る桜です。

 朝の気温は8度、帰りがけ11度と日陰では肌寒かったせいか、岸和田方面も、紀ノ川方面も遠くがよく見え、緑がきれいでした。

  イヌブナの花芽やブナの芽生え、満開のカスミザクラ、チゴユリやユキザサなどの春の花も咲き始めうれしい調査でした。

ユキザサの雪の結晶のような星型の花(咲き始め)



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