2021年11月24日水曜日

 11/20 定例会では、

「学生ボランティア養成講座第六回和泉葛城山ブナ林」(環境事業協会主催)に協力して、準備してきたいろいろな企画を実施し、受講生に体験してもらいました。

・講座参加者は、学生(高校生~大学生)9名で環境事業協会スタッフ3名、ブナ愛樹クラブ会員の参加者は11名でした。

・講座の狙いは、天然記念物の和泉葛城山のブナ林を観察することにより、ブナ林の現状・自然の豊かさ、生物多様性を実際に見て、ここで行われているブナ林の保護増殖・保全活動の現状を知ってもらことです。さらに、実際の保全活動を体験して、受講生の将来の自分の活動を考える機会になることを期待しています。
・これ以外に、ブナ愛樹クラブ会員による、お楽しみの企画も盛りだくさんで一日楽しんでもらえたのではないかと思っています。


講座終了時に受講生・スタッフ全員で記念撮影

<講座の内容>

1.ブナ林の見学

午前中はブナ林の見学です。最初に「和泉葛城山のブナ林の観察」の資料をつかって、和泉葛城山のブナ林の概要を簡単に説明後、2班にわかれて、ブナ林へ向かい観察開始

日本のブナ林と和泉葛城山のブナ林の特徴、ブナ林の保護増殖活動など解説


黄色く色づいたタカノツメ

ブナ林の中で、さまざまな樹木を観察、ブナとイヌブナの違いも確認
秋が深まり、多くの落葉樹が紅葉し、落葉し始めている樹木も多く見られます。
ブナは黃葉から褐葉・落葉へと変化しています
樹齢300年の伐採されたブナの切り株や
保護増殖活動でバファソーンに植栽されたブナ、
ブナの種子調査のためのシードトラップも見学



ブナ林の環境を調査するための気象観測装置を見学
 
気温、降雨量だけでなく風向、風力、土中水分などもコアゾーンの10箇所で測定中です
  ブナ林が今後も維持できる環境か?解明がすすむと期待されています。

2.ヒノキの間伐体験

・午後の最初はヒノキの間伐体験です。植栽から枝打ち、間伐、主伐までの森のサイクルの説明をしたあと、実際に60年ほど前に植栽されたヒノキの間伐を体験したもらいました。



尾根の上と下で2班に別れて、間伐体験です

受け口、追い口を受講生が交代でノコをつかって切っていき、ロープを使って狙いの方向へ
伐倒していきます。

尾根の上の状況です














尾根の下でも

慎重に追い口を切っていきます

手前側に伐倒するのが狙いです

伐倒後は、枝を切り、玉切りをおこないました

初めてノコギリを使った受講生もだんだんなれてきたようです

玉切りしたヒノキの一部は、輪切りにして樹皮を剥き、お土産にもってかえった受講生もいました
ヒノキのいい香りがするので、ヒノキ風呂にして楽しんだり、下駄箱の消臭剤につかったり、いろいろと使えます






3.「おかえりモネ」にでてきた二人両手引き鋸の体験

・NHKの朝の連続ドラマの「おかえりモネ」で主人公のモネが樹齢300年のヒバを伐倒するシーンで使われた二人両手引き鋸を実際に体験してもらう、スペシャル企画です。


「おかえりモネ」のワンシーン
ヒバは、ヒノキアスナロとも呼ばれ、東北でみられるアスナロの変種です。

(NHKより)









・二人両手引き鋸は、以前は林業や大工の丸太加工で使用されていましたが、チェンソーが開発されてから使用することは無くなりました。 両挽きタイプの刃で押し・引きどちらでも切れ、二人一組のチームワークが大切です。
・いまでは手に入れるのも難しいですが、企画した吉崎さんがオークションでみつけて手に入れ、サビを落とし、刃を目立てして使えるように復活させた特製のノコギリです。



 丸太を、台に固定して2人で呼吸をあわせて切っていきます。

最初はなかなかコツがわからずうまくいきませんでしたが、次第に調子がでてきました。交代して体験してもらいました。












サリーさん(部長)も参加














輪切りにしたヒノキはお土産に














両手引き鋸以外にも吉崎さん秘蔵の鋸をいくつかもってきてくれました。今では見られないものばかりです。

左は、大木を切るための大鋸です。
北海道の原生林を開拓するときにもつかわれたのではないでしょうか?


かき出し刃がついた大鋸
切断時にでるおが屑をかき出し刃で効率よく掻き出すので切断が素晴らしく早い鋸。

木製のケースや持ち手も吉崎さんの手作りです。見事な加工です。





木挽き鋸です。吉崎さんが鋸を斜めにもっているのを写したので短くみえていますが幅40cm、長さ1mほどもある鋸です。

木挽き鋸は、丸太から板を切り出すときにつかう鋸で、刃の形状も横引き鋸とはちがいます。
ベテランが使うと一度の引きで5cm以上もきれるとか。

一度和泉葛城山でも実際に太いヒノキをつかって板の試作をしてみたいですね。








4.ヒノキのクラフト作り

・次に受講生に間伐したヒノキの枝をつかったクラフト作りをやってもらいました。時間の関係で使用するヒノキの枝や台はあらかじめ吉崎さんが準備したものを使用しました。


準備した材料

丁寧に磨いた、ヒノキの枝と
台になる輪切りの檜板













熱心に枝をネジや接着剤をつかって台にとりつけています。

枝の出方にはいろいろあるので、アクセサリー掛けや、鍵掛け、帽子掛けなど工夫しだいでいろいろに利用できそうです。

ヒノキの枝は樹皮を剥ぎ取り、白い幹が白くて美しい。

参加スタッフやたまたま来場されていた岸和田市の職員の方にも持って帰ってもらいました。
●先日岸和田自然資料館に伺ったら1階の受付横に飾ってありました。エビフライのクラフトも引っ掛けてありました。








ドリルで穴をあけてとりつけ、
しっかり固定すると長くつかえます















5.リスのエビフライとは?

・お土産には、ブナ愛樹クラブ特製のリスのエビフライでつくった、リックやカバンにとりつけたりできるクラフトを準備しました。これは、前田さんの特製でリョウブの幹の輪切りに通称エビフライをとりつけたクラフトです。
・エビフライとは、リスがアカマツの球果の中の果実を齧って食べた結果残った食べかすの芯の部分の形が海老フライに似ているので通称エビフライと呼ばれています。作業小屋の前にあるアカマツにいつもリスがきてエビフライを大量に落としていきます。リスの食堂になっています。夜に活動するらしく、昼間の活動時にリスの姿は見ることがありません。



裏面には、ブナ愛樹クラブのこのブログの
URLがQRコードの形で印刷されています。
前田さんが工夫をこらして木の板にQRコードなどを貼り付ける技術を開発したものです。
他ではないオリジナルのクラフトです。

表には、エビフライとちょっと洒落てフランス語で下記の文字が?どんな意味でしょう?

Crevettes écureuil frites 



幸い受講生にも好評で早速リックに取り付けている人もいました。

ブナ愛樹クラブの会員達の創意工夫にあふれた楽しい講座になりました。

受講生の皆様、また是非和泉葛城山に起こし下さい。待っています!!


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