活動内容がいつもと同様になるのは計画的にミッションが組まれているため当然なこと。で、この日の計画は相変わらずの間伐!
間伐は一本一本にクセがあり、苦労があって工夫があり、同じ間伐はひとつとしてないのですが、写真では「相変わらず」にしか映らないところは「活動ブログ」の宿命なのかもしれません。
ところがどっこい、その傍らで毎回その日ならではのイベントが生じていて、それもまたクラブライフ! そこで今回は趣向を変え、そのあたりにスポットを当てることから始めましょう。
この日、そろそろ午後の準備にかかり始めた頃、誰かがロープの結び方を覚えたいと言い出しました。そしてごく自然にSさんの周りに人の輪ができました。柔和なまなざしのこの人、かつては自衛隊・レンジャー部隊の伝説的教官だった人物です。
メンバーにはロープ結びにかなり達者な人も居ますが達者でない人も居ます。そうした人士にとってロープの結び方はまさに知恵の輪クイズ! 元教官殿が次から次に繰り出すロープ技に感嘆するばかりで、覚えるどころではありません。
しかしそこはさすがの愛樹クラブ! 放課後、誰言うともなくSさんを講師にロープ結び特設講座が開催される運びとはなりました。達者なメンバーも助手で協力。
とりあえず、基本の「もやいむずび」「まきむずび」「ひとえつぎ」の3つをモノにしようと張りきって、講座は大いに盛り上がりました。
でも、果たして成果のほどは? ロープ結びは実用的でしかも美しく、多くの人を魅了します。けれども簡単に身につくものではなさそうです。
それでもこのにわか講座、クラブライフの楽しくも有意義なひと時となったことはいつもの通り。万事こんな感じで、いいね! ブナ愛樹クラブ。
身近に達人が居れば何度でも教えを乞えます。そのうちクラブはロープ結びの使い手であふれるかえるかも…。
ところで、この日は目新しい試みがもうひとつありました。
間伐は、まずロープ掛けから始まります。
なるべく高い位置にロープ掛けが出来ればテコの原理で引き倒す力が強く働きます。
いろんな手法があって、写真の場面では長い竿を用いて上へ上へと寄せています。
下の写真は「ツリー・クライミング」で用いられスローウエイト(錘)とスローライン(細めのロープ)です。
これを、間伐のロープ掛けに応用しようという試みなのです。
ロープ掛けに錘(おもり)を投げるのは常套手段ですが、ツリー・クライミングではグルグル回ざずに、両手を使って投げるのだそうで、習熟すれば確度も期待できそう…。
見事‼ かなりの高さに届きましたよ。
新たなロープ掛けの手法としてツリー・クライミング方式が定着するか、楽しみです。
活動の「ビフォア&アフター写真」
本投稿の冒頭、クラブの活動は「計画的にミッションが組まれている」と書きましたが、ワケもなく美辞麗句を用いたワケではありません。クラブの山仕事はきちんと公的機関から委託を受けたボランティア活動なのです。ですから、先方機関へは活動ごとにしかるべく報告を怠りません。
報告は、まず「日報」という書類づくりから始まります。そこには活動の証左となる写真の貼付が必要で、写真は「活動前」「活動中」「活動後」の状況が明確に説明できるものであることが求められています。つまり「ビフォア&アフター」ですね。
では、日報の「ビフォア&アフター」用の写真とはいったいどんなものなのか? この日のそれをちょっぴりご披露して活動報告の代わりにさせていただくことにします。
これ、「活動前」です。
既に少し切込みを入れかけていますが、間伐対象木の作業前の状況が確認できます。
これ、「活動中」です。
他の木に引っ掛かり、あともう少しで倒れる…といった状況です。
これ、「活動後」です。
受け口、追い口、ツルのカタチがきれいに決まっています。伐採した木は枝を払い玉切りの丸太にして安置済みです。
ところで、以上の三点の写真がほぼ同じ地点から同じアングルで撮られていることにお気づきでしょうか。それよって説明の要件を満たした写真となり得ているのです。根元に転がった三本の丸太も証左の一助となります。これが日報の「ビフォア&アフター」写真です。
当然ながらこれら日報の写真はその日の活動を代表するに過ぎず、他にあれこれ様々に重要な保全作業が併行して実施されています。
例えば下の写真の巨木は台風で倒木したアカマツですが、先端が宙ぶらりんとなっていて甚だ不安定です。これは切り離すことで安全な状態にしておかなくてはなりません。
太い木はチェンソーでも一苦労。
やれやれ、お疲れさまでした。切り離した先っぽは落ち着いた状態に沈んでくれました。
この日の気象
最後に当日の湿・温度計の写真を載せておきます。
10時の数値です。
13時の数値です。
小屋には3種の湿・温度計がありますが、それぞれ微妙に数値が違います。ブログではこの計器に統一しています。
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