10/22の活動は、折から豊作のブナの種子を採取することとし、総出の人海戦術となりました。その成果はこの通り! メンバー全員でひと粒ひと粒、拾ったものです。
ところが、やがて明らかになったその結末とは?
この日の参加者は写真の11名に、ここには居りませんが中室さんを加えたメンバー12名。途中からゲストで参加されたトラスト協会の岡さんも合わせると13名の大部隊となりました。ただ、天気予報が少し心配でした。
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前列左から、高原・吉崎・岡田・藤原・山條・前田 後列左から、那須・梶川・朝井・土井・今井・のメンバー |
この日の気温は15℃。湿度は75%。幸い雨は降りませんでした。
種子採取 本日の目標はとりあえず1000つぶ!
ひたすら拾い集めました
「盛大に落ちている! いくらでも拾える! 」そんな情報も聞こえてくる中、本日の活動はブナの種子採取と決め、ゾーンに入ります。
目指すはバッファゾーン中の作業道。コアゾーン内には許可なく立ち入ることはできませんが、バッファゾーンならそのシバリはありません。
バッファゾーンの範囲で落ちたブナの実を探します。
いくらでも拾えると言うほどほど甘いもんじゃありませんでしたが、何とか調子が出てきました。
殻斗(かくと)の中に種子があります。多くは殻斗から出て種子が裸で落ちています。 写真の中ほどに見えるのが殻斗。すでに中に種子はなく、どこかに飛散しているようです。
「種(種子)を探した方が早いナ」
「固まってあるようだ。潮干狩りといっしょやな」
だんだんとコツもわかってきた模様。
ひたすら探し、拾います。
とにかく探し、拾います。
遊歩道沿いのテラスでは多くを採取できました。
調べてみたら…
さて、採取して種子を小屋へ持ち帰って調べてみました。見た目では分かりませんが、水に漬けると種が生きているものは沈み、虫(ブナヒメシンクイ)に食われたり腐った不良果実は軽く浮くのですが…。
なんと、ご覧ください。沈んだのはホンの僅か! ほどんどが浮いています。浮いた種子をわってみると中身は入っていません。虫食いや粃(シイナ:殻ばかりで中身のない種子)の種子です。ほぼ全滅の結果でした。午前中の労苦は何だったのでしょう。
それでも、そこはブナ愛樹クラブ、口々に「いい勉強になったな!」と、めげないのがブナ愛樹クラブ。(こんな結果をうっすらと予想していたメンバーもいたようですが、みんなの熱意に水を差すようではばかったらしい…。心優しいのもブナ愛樹クラブです。)
現時点で落下しているブナの種子は、実る前に欠陥があってブナの樹が自ら落とした種子の様で、こらからホントの充実した発芽能力のある種子が落下してくると思われます。今後に期待です。
今後に期待して種子採取トラップを敷設
まだまだ生きた実は木についているはず!ブナの巨木の下に完熟の種子を宿した殻斗がたくさん落下することを期待して、遊歩道やバッファゾーンに丸型種子トラップ2基を設置。(写真を撮っているのはトラスト協会から出向の岡さん。)
これは、バッファゾーンに敷設された、山條さん苦心の種子採取ネット。傍らの白い丸型トラップは朝井さん手づくり。
また、テラスはしっかり掃除して、新たな種子の落下に備えました。
すべてはこれからです。クラブでは、メンバーが里親になってそれぞれに発芽から苗木の育成までを託す遠大な計画を描いています。
昼休みにはトラスト協会からも要請が
昼食をとりながらのミーティングで、今期の種子豊作に当たってトラスト協会からブナの育成に関わるいくつかの要請が伝えられました。ここでも里親のプランが語られました。(熱弁をふるうのはトラスト協会の岡さん)
以上。(前田)